基礎を極めて経験を積む!・バリスタ体験談②⑥
現在のメルボルンのカフェ状況
メルボルンは、長いロックダウンが終焉を迎え、カフェに活気が戻ってきています。
ですが、ワーキングホリデービザで入国する方へはオーストラリアの国境が開いていないのと、ロックダウンでホスピタリティからキャリアチェンジした人が多いため、大幅にホスピタリティ業界の人手が不足しているのも現状です。
それに伴って、この業界で働くのには、すごく雇われやすい状況です。時給も以前に比べて底上げされています。それくらい、人が足りていないです。
オーストラリアの国境が開く時期
日本に住んでいる方で、メルボルンでバリスタを目指す目標がある方は、「今メルボルンに住んでたらなぁ」と、うずうずしているというメッセージも沢山来ます。
よく聞かれるのが、いつオーストラリアに入れるのかということ。
来年、2022年上半期には、国境が開くのではないかと個人的に思いますが、こればかりは、様子を見るしかなさそうですね。
卒業生のバリスタ体験談
現在、この怒涛の時期をメルボルンで乗り越え、ある人気カフェで働いているみさきさんにお話をお聞きしました。
このカフェに入った時、暖かい接客でおもてなしをされ、ほっとするような感じを受けました。沢山の観葉植物に囲まれ、アンティーク調の落ち着いた雰囲気のお店で飲む数種類の拘りのコーヒー。そして、私が実は個人的に楽しみにしていた、ごろっとした果物が入ったフルーツサンドを頂き、大満足!この生クリームも日本のだ!って、嬉しくなりました。
休憩中のみさきさんと久しぶりの再会で話に花が咲きました。
このLe Bajo Milk Barは、ノースメルボルンにあるおにぎりと味噌汁が美味しい、279というカフェの日本人オーナーさんの二店舗目のカフェです。どちらの店舗も、日本の味を感じられるほっとするような空間で、コーヒーも拘っていました。このご時世で、日本に帰省できていない方にとっては、オアシスのような存在なのかもしれません。
ではでは、お待たせしました!
みさきさんの波瀾万丈なバリスタストーリー、思う存分お楽しみ下さい。
Q1. 自己紹介をお願いします。
初めまして。みさきです:)
メルボルンに来てから、コーヒーとカフェ巡りが好きになりました!
バリスタ未経験にも関わらず、“ローカルカフェでバリスタになる”ということを留学当初、目標にしていました。
みどりさんのレッスンはもちろんですが沢山の方々の支えとご縁があり、今バリスタとして働くことが出来ています。休みの日は公園で本を読むことや、カフェに行くことが多いです。家でフィルターコーヒーのレシピを考えて淹れるのも好きです。
Q2.メルボルンを選んだ理由は何ですか?
毎年家族でオーストラリアへ旅行をしていたので元々馴染みがありました。
ただメルボルンには来た事がなく、一人で挑む海外生活、行ったことのない場所でしたい!思ったからです。
Q3.今までにコーヒーの経験はありましたか?
未経験でした。日本では車会社のショールームで受付と事務をしていました。
写真は、みさきさんが淹れてくれたフラットホワイト、バッチブリュー(ドリップコーヒー)とエスプレッソ。贅沢に三種類も頂きました。ロースターは、最近オープンした、Ichihazeのもの。
Q4.色んな学校がある中、South of Japan Coffee Classでコーヒーを習おうと決めたきっかけは何ですか?
実際にマシンを使いながらスキルを身に付けたいと思ったからです。
語学学校のバリスタコースでは座学が多く、知識は沢山得られたけれど、マシンに触れる時間は本当に少しだけ。
そんな中、みどりさんのレッスンに出会いました。本当に基礎の基礎から教えてもらいました。
Q5. バリスタになるまでの経緯。
レッスン受講後、手渡しでレジュメを配りにいき、3件のカフェからオファーを貰い、毎日試行錯誤しながら3店舗で働いていました。
ですが、ロックダウンの影響で数日のみの出勤になり、生活が激変しました。仕事がない分、ほぼ毎日、家でスチームの練習やフィルターコーヒーの研究をしていました。
たまたま訪れたカフェで、一人のバリスタと出会い、私のバリスタとしてのプロ意識が変わりました。
彼の淹れるコーヒーはいつも品があって、優しい味。ブレがない。接客も完璧。何度もそのカフェに通いました。勇気を出して、「スチームを見せてほしい。」と聞いてみたら快く見せてくれました。それから沢山話すようになり、今でも迷ったときは相談しています。
ロックダウンの最中、人生初の手術をしました。
術後、数か月思うように体が動かせませんでした。その頃、趣味でやっていた刺繡の販売をし始め、新しい出会いも沢山ありました。この時もみどりさんからアドバイスや励ましの言葉を沢山貰っていました。ありがとうございます。
体調が回復し始めた頃、みどりさんの生徒さんの紹介で再びバリスタの職を手にしました。
このご縁には本当に感謝しています。日々家で練習していた甲斐もあり、そのお店ではオープンからクローズまで全部1人で任せてもらっていました。ここでかなりの度胸とスキルがついたと思います。シティに比べ、規模が小さいお店だったとはいえ、1人で構えるのは本当に大変でした。
1日に2~3回来てくれるお客さんがだんだん増えて、気づけば常連さんばかりになりました。数か月後には、お客さんのオーダーが完璧に頭に入っていました。
「ミサキのコーヒーはlovelyで美味しい、10/10」と言ってくれたり、バレンタインの時にお花を持ってきてくれたり、お客さんに本当に恵まれていました。コーヒーを作るだけでなくお客さんとの毎朝の会話が楽しみで仕事に行っていました。
とても恵まれた環境でしたが、もっとスキルアップしたいと思うようになり、新しい環境へ挑むことを決めました。今の職場、Le bajo milk barとご縁があり、レベルの高い環境で試行錯誤しながらも楽しく働いています。
Q6.受講されたバリスタコースの特徴や感想は?
みどりさんのラテアートレッスンを2回、エスプレッソレッスンを1回受講させてもらいました。
その時に目指しているゴール等をヒアリングしてくださった後、マンツーマンでしっかり基礎の基礎から教えてもらえました。
スチームする時のジャグの持ち方、タンプの仕方等、本当に基礎から。細かいポイントも沢山指摘してもらえるので、自分では気付かない癖等も短時間で把握出来ます!疑問に思ったことはその場で聞いてすぐに解決出来ました。レッスン中に動画を撮ってくれるので後から自分を客観視できる点も良いと思います。受講している生徒に合わせてレッスンを進めて頂けるので貴重な時間でした。内容が濃い分、いつもあっという間にレッスンが終わってしまう印象です。今持っている疑問点等をレッスン前にメモしておくと良いと思います。
Q7. 今働いている職場はどんなところですか?
今はNorth MelbourneにあるLe bajo Milk barで働いています。
日本人にとって懐かしい、食パン、カツサンド、メロンパンやショートケーキが食べられます。
ここではバリスタ、オールラウンダー、キャッシャー等、日によって違うポジションに立つので毎日が勉強です。
1人で働いていた時とは全く環境が違い、すぐに指摘しあえる、鼓舞しあえる仲間とチームとして働くことの楽しさ、難しさを学んでいます。毎朝のレシピ作りは未だに課題ですが何度も検証し味を決めているからこそ、美味しい味に辿り着けた時の喜びと達成感があります。コーヒーにゴールは無いなと思う日々です。コーヒーだけでなく、接客レベルの高い環境の中で働けていることに日々感謝しています。
Q8. バリスタコースを受講された経験から学んで今に繋がっている事を教えて下さい。
「基礎の大切さ」です。
スキルアップする為には、しっかりとした土台が必要です。
もし今作っているコーヒーに自信が持てない場合は初心に戻ることが大切だと思います。私自身、仕事を掛持ちしていた時に情報が多すぎて、正解が分からなくなり、スチームにも迷いが出ていました。その頃、再度みどりさんのレッスンを受講して、「基礎が大事。」と改めて気付けました。コーヒーは本当に奥が深い。考えだしたらキリがないことも理解しています。新しい情報を得ることも大切ですが、今の自分の悪い癖や改善点知ることがもっと大事なのかなと私は思います。みどりさんは良い点、悪い点を直接言ってくれるので土台を作りやすいと思います。
Q9. バリスタになりたい皆さんにアドバイスをお願いします!
一歩踏み出す勇気です。
特にメルボルンでバリスタになるというのはハードルが高いように思うかもしれませんが、みんな初めは未経験です。
正直、力不足で落ち込むことも沢山あります。ただ、落ち込むのではなく、「じゃぁ次、同じミスをしないためにはどうしたらいいだろう」と視点を変えるのも良いと思います。日々の努力、意識次第で道は切り開けると私は思っています。
コーヒー業界にいる方々は横の繋がりをとても大切にしている方が多いです。このコーヒー美味しい!と思ったら積極的にそのバリスタさんに聞きに行くのも良いと思います。快く答えてくれるバリスタさんに出会える場合もあると思います。気になることはどんどん聞いてコーヒーの世界にどっぷりハマってください!
暖かい雰囲気を持ったバイリンガルなマネージャーさんと卒業生のみさきさん。
Cafe: Le Bajo Milk Bar
8-14 Howard St, North Melbourne VIC 3051, Australia
Barista: Misaki Nishiyama
みどりの独り言
誰でも初めは初心者です。最初の頃は、失敗や、意に沿わないことの連続で、自己嫌悪や地震喪失したり、諦めそうになることもあります。
あなただけではありません。
私も、シドニーでバリスタを始めた頃は、毎日が学びと落胆、成長の連続でした。その時期があったから、今があると思っています。
これを読んでいるあなたはもしかしたら、人と比べて、「私はまだまだだ」と思うこともあるでしょう。でもその気持ちは、毎杯淹れるコーヒーを美味しく淹れたいという強い想いからだと思います。その想いを持って行動し続ければ、確実に経験値とスキルは上がり、その目標に近づいていくので、安心して下さい。
その過程も含め、楽しむことができたら、更に充実したバリスタ生活が送れるはずです。
応援しています!
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